第10号 2008年4月発行
「ニコニコ笑顔の卒園式」

こんにちは、失礼します。
生搾りどくだみ青汁酒・十黒梅(じゅっこいばい)の食援隊、細川泰伸です。
いつもいつも、十黒梅(じゅっこくばい)をご愛飲頂きまして、本当にありがとうございます。

桜の開花が寸前のうららかな陽気に包まれた3月22日土曜日の事
私の長男が通う保育園で、卒園式があり、私は出席してきました。

長男は、この4月から年長組です。もう一年お世話になる事になりますので
本来ならば、この式の卒園児の保護者ではない私は、出席できないのですが、
式の在園児保護者・挨拶の大役に指名され、出席しました。

昨年のこの日は、長女が同じ保育園を卒園した日です。
もうあれから1年も経ったのかと思うと
あっという間の1年だったと月日の速さを感じられずいられません。

門をくぐり、子供用の天井のちょっと低い教室に入ると
真ん中には、これから子供たちが座る、
これまた子供用のかなり低い椅子がずらっと並べられています。

その奥に、保護者用の椅子が並んでおり
この日を楽しみにしていた卒園児の保護者の皆さんが座っていました。

中には、子供を迎えに行った時にちょくちょく顔を合わせる方もいて
軽く会釈をして、指定席に腰を下ろし、
これから挨拶で話す内容を書き留めた台本(カンニングペーパー)を
ポケットから取出します。

私は、中学・高校の時には、学校の弁論大会に2度出た経験もありますし
友人の結婚式では、友人代表や司会の経験も何度もあります。
会社では、毎日の朝礼や会議とかで話をする事が多く
やはり、そういった経験がものをいっているのでしょうか
「人前で話す」というのは、それほど苦にしているわけではありません。

しかし、今回は今までのようにはいかないと
妙な緊張感、独特な緊迫感を感じられずにいられません。

なぜかというと、今回スピーチする相手は「保育園児」です。
保育園児に分かりやすい表現で話す必要があります。

前日の台本作りには妻と大討論の大騒ぎで
あらかじめ数日前より、こんな事を話そうかなぁ~と
軽くまとめたものを妻に話すと

「そんな内容では、子供が分かるわけがない、もっと分かりやすく」とか
「そんなにたくさんの事を言うと、子供が理解できない」とか
当日、どちらがスピーチするのか分からない状況でした。
(まぁ~、それだけ真剣に考えてくれているのでしょうが・・・)

あ~だ、こ~だと大騒ぎしながら
いろんな事を話すよりも内容を一点に絞った方がいい
自分たちの子供達に一番伝えたい事をテーマにしようと話合い

「ニコニコ笑顔」をメインテーマにし、
「笑う門に福来る」「ニコニコ笑顔にはいい事が多いと言われている」
「小学校に入ったら、ニコニコ笑顔でたくさん友達を作ってね」
などなど肉付けし、わかりやすさ重視でようやく台本が出来上がりました。

台本(カンニングペーパー)に目を通す事3回
定刻になり、かわいいフォーマル姿の卒園児が教室に入ってきました。
みんな、しっかりさんになって、自分の席に座ります。

司会の先生からの式の開始の挨拶があり
卒園証書の授与、園長先生の挨拶と順番にプログラムが進みます。
後ろや横から卒園児の保護者さんの啜り泣きの声が聞こえ
教室は、感動の空気に包まれていますが
私だけは、変な緊張感に包まれ、妙に落ち着かないまま、時が流れます。

司会の先生:「在園児保護者挨拶、細川さんお願いします」
とうとう、私の順番がやってきました。

壇上(壇上といっても低いのですが・・・)に上がり
さぁ!これからスピーチ!と思いきや
私の視界に、保育園児の顔がないんです。

そうなんです。スピーチをする相手は保育園児なので、
いつも朝礼や会議で話をしている相手の高さではありません。
ずっと、ずっと、ずっと下に保育園児の顔があるんです。

別の世界にきたようで、一瞬、気持ちがグラグラっときましたが、
ここは、しっかりとしなければなりません。
グッと息を飲み込み、スピーチを始めました。

「できるだけ、ゆっくり」
「できるだけ、わかりやすく」
「ニコニコ顔で」

前の夜、妻からアドバイスをもらった
この3つの注意点を意識して・・・

話すべき事は全て話し、挨拶をして席に戻った時は
本当にホッとしたというか、無事に終わって気が休まったというか
今までとは違う安堵感に包まれながら
卒園児のしっかりさん達のあまりの愛らしさに
心を奪われ式を楽しみました。

後日、保護者の方々や先生から
「あの時のスピーチはすごく良かった」
「子供がニコニコ笑顔のお話を覚えてくれてた」
「卒園の門出にいいお話をありがとう」
などなど、嬉しいお声を頂きました。

改めて、しっかりスピーチできて本当に良かった
これもそれも妻の大激論、アドバイスのお陰だと感謝したことでした。
と同時に、自分も今まで以上に「ニコニコ笑顔」でいるよう
心がけたいと思います。

それでは、失礼します。

細川 泰伸