第34号 2010年4月発行
「今春、どくだみ畑にて、」

こんにちは、失礼します。
生搾りどくだみ青汁酒・十黒梅、食援隊の細川泰伸です。
いつも十黒梅をご愛飲頂きまして、本当にありがとうございます。

3月下旬の事、高知県幡多郡黒潮町の
弊社が契約栽培をお願いしている「どくだみ畑」に行ってきました。
2月にその「どくだみ畑」に伺った時は、小さな葉が畑一面に出ておりましたので、
3月も下旬になると、ずいぶんと葉も大きくなっているだろうと楽しみにしておりました。

ところが、伺った数日前、温暖な気候の南国高知でも霜が降り、
畑の一部のどくだみが霜にやられて枯れているではありませんか!

農家さんは、「涙が出んばぁ、悲しい」と
本当に本当に本当に悲しそうな小声で、枯れたどくだみを見て話してくれました。
年明けから、畑の世話に毎日、汗を流してくれた農家さん、
それがたった1日の霜で、、、、
本当に、気の毒で気の毒でしょうがありません。

しかし次の瞬間、農家さんは枯れた葉を採りながら
「自然のことやき、しょんない、枯れた下から、また新しい芽がでよるけん、
どくだみは、やっぱり偉いねぇ~、収穫の時期がちょっと遅れるけんど、
量は、しっかり獲れるけん、安心しちょったやぁ~」と、明るく話してくれました。
改めて、農家さんの逞しさに脱帽です。
また、農家さんに大きく支えられている事に感謝の気持ちでいっぱいです。

それから、畑の奥の方に目をやると、
どくだみ畑一面に、何やら白い布のようなものをかぶせているではありませんか?
農家さんに、その正体を聞くと、
「それは、不織布(ふしょくふ)いうもんじゃ、これをやっちょったら、
水分の蒸発をふせげるけん、どくだみは、よう育つがよ」

しかし、その不織布(ふしょくふ)を掛けている所と掛けてない所があります。
その理由を聞きますと
「おまんとこの工場に、いっぺんに持っていったち、全部処理できんろぉ
不織布(ふしょくふ)を掛けちゅうところが成長が早いけん、
それを先に持って行っちゃるけん、ほんで、掛けてないところを後で持っていったら
順番に搾れてえいろぉ~」と上機嫌で話してくれました。

昨年は、畑全面のどくだみが一度に同時期に成長し、収穫期を迎えたので、
後の方は、成長し過ぎて枯れてしまい、収穫のできない所もありました。

今年は、昨年の失敗を教訓に、成長の時期を僅かでもずらし、
成長の早い所から順番に収穫し、畑全面のどくだみを収穫しようと計画したのだそうです。

一昨年は、イノシシに畑を荒らされ
(どくだみを食べたのではなく、畑の中のミミズを食べに)
畑の周りに電線を張ったり、トラクターが入れるように、足場を作ったりと
年々バージョンアップしている「どくだみ畑」
70歳を超えた農家さんのアイデアとバイタリティーに恐れるばかりです。

この畑をどくだみ畑に整備してから、今年で3年目になります。
最初は、米を作っていたそうですが、
イノシシ等の被害にあい、耕作放棄地となっていました。
私より背の高い雑草だらけで、とても畑になるとは思えませんでした。

農家さんに、その話をしますと、
「3回、ここで桜を見たら、立派になった」と、畑の横の山の山桜を見ながら
農家さんが、にっこりとおっしゃって下さいました。
その一言に、3年間のご苦労がギュッと凝縮されたようで、
目頭が熱くなる思いがしました。

農家さんに、「写真を撮らしてもろうて、えいですか?」と聞くと
農家さん:「ブログに、カッコえいように載せちょったやぁ~」と・・・・
高知の田舎のおじいさんが、ブログを知っているから大したものです。

十黒梅をご愛飲の皆様、どうぞご安心ください。こうした農家さんがいる限り、
「今年はどくだみが収穫できず、十黒梅がありません」という事はありません。
皆様のお役に立つよう、農家さんと一緒に励んで参ります。

それでは、失礼します。

細川 泰伸