第64号 2012年10月発行
「食欲の秋」

こんにちは、失礼します。
生搾りどくだみ青汁酒・十黒梅(じゅっこくばい)の食援隊、細川泰伸です。
いつもいつも十黒梅をご愛飲頂きまして本当にありがとうございます。
またこの度は、手作り新聞「イキイキ元気倶楽部通信」を
お手に取って頂きまして心より感謝申し上げます。

10月に入り、こちら高知は朝夕はずいぶんと肌寒さを感じるようになりました。
先日、しばらくぶり、さぼり気味の朝のウォーキングにと玄関を出たところ、
予想以上の涼しさに、薄手の上着の一枚を取りに、部屋に戻った事でした。

日の出もずいぶんと遅くなり、夜明け前の静寂な舗道は、
良き一日のスタートを迎えてくれる事を応援しているかのよう、
私の足を心地よく滑らせてくれます。
しばらく歩くと山沿いの舗道に「イガ栗」が落ちていて、
秋の気配を感じる事ができました。

秋は「スポーツの秋」「読書の秋」「芸術の秋」「食欲の秋」と言われるように、
何をするにも気持ちのいい季節ですね、
(食いしん坊の私は「食欲の秋」専門ではありますが・・・)

これから一日一日、少しずつ季節は秋色が濃くなっていく事でしょう。
という事で、今回の手作り新聞は、
そんな秋に、特に「食欲の秋」について、書かせて頂きます。

高知の食欲の秋といえば・・・何といっても「戻り鰹(下り鰹)」!
脂の乗った「戻り鰹(下り鰹)」は、この時期だけのまさに旬の味わい。


■ここで一息、鰹の豆知識 その1■

「初鰹(上り鰹)と戻り鰹(下り鰹)」

日本の太平洋沿岸に生息するカツオは、
夏に黒潮と親潮とがぶつかる三陸海岸沖辺りまで北上し、
秋に親潮の勢力が強くなると南下する。
夏の到来を告げるその年初めてのカツオの水揚げを
「初鰹(はつがつお)」と呼び、珍重される。
脂が乗っていないためさっぱりとしており、この味を好む人もいるが、
3月初旬の頃のものは型が揃わず、比較的安価である。
脂が乗りだすと高値になっていく。

初鰹は港によって時期がずれるが、
食品業界では漁獲高の大きい高知県の初鰹の時期をもって
毎年の「初鰹」としており、消費者にも浸透している。
南下するカツオは「戻り鰹」と呼ばれ、低い海水温の影響で脂が乗っており、
北上時とは異なる食味となる。戻り鰹の時期も港によってずれがあるが、
一般的には秋の味として受け入れられている。

ウィキペディアより


鰹は刺身で頂くのもいいですが、
高知の伝統的な料理方法の「タタキ」で頂くのが個人的に好みです。

「タタキ」という料理方法は、三枚に下ろした鰹を背と腹で分け節にし、
周りだけををサッと焼き、一口サイズ程度にスライスして頂く料理方法です。

刺身を頂くように、醤油とワサビで頂くのもいいですが、
高知は、醤油とニンニクのスライスで頂くのが主流です。

また、特に高知の西部では、タマネギのスライスに、鰹のタタキを乗せ、粗塩を軽くふり、
大葉、生姜、ミョウガ、ネギ、ニンニクなどの薬味を刻んだものを、
鰹が見えないくらいにタップリのせ、
特製のタレ(私の祖母のレシピは、醤油:酒:みりん=1:1:0.5)を、
これまたタップリかけて頂く料理法があり、こちらの方が主流になっています。

それから最近では、「塩タタキ」というメニューも一般的になりました。
この食べ方は、タレや醤油で頂くのではなく、
粗塩を振り、薬味と一緒に頂く食べ方です。

いずれも、それぞれの違った味わい美味しさがあり、
食べ比べで楽しみたいというのが、細川流といったところです。

どくだみ畑のある「黒潮町」の佐賀漁港は、全国有数のカツオ漁獲高を誇る港で、
毎年、この季節に「もどりガツオ祭り」を開催しております。
(今年は、10月20日(土)の開催を予定されているそうです。)

私は、ウィークデイは工場勤務の為、単身赴任でこの黒潮町で寝泊りをしておりまして、
この季節は、この「戻り鰹」しかも、「日戻り」と呼ばれる新鮮な鰹を
楽しめるという素敵過ぎる特権があります。


■ここで一息、鰹の豆知識 その2■

「日戻り鰹とは・・・」

釣り上げた鰹を、その日のうちに食べる鮮度バツグンの鰹です。
その日しか味わえないモチモチっとした食感、
やわらかいのにしっかりした弾力が特徴です。
高知の西部では、「ビリ」(またはグビ)とも呼ばれ、
港町ならではの極上で贅沢な鰹です。


先日、黒潮町の隣町の四万十市(旧:中村市)の居酒屋さんに入ったところ、
その日は残念な事に「日戻り鰹」がないとの事。
仕方が無く、昨日上がった鰹で、タタキを注文しました。
(昨日上がったとはいえ、十分過ぎる鮮度には間違いありません。)

まな板には、上等の鰹が乗せられ、お店の大将が手際よく包丁を入れ、捌き始めました。
美味しい鰹のタタキが出てくるのを待っていると、大将の携帯電話が急に鳴り出しました。

大将:「日戻り、上がったぁ! 今から取りに行くけん、おいちょってぇ!!!!」
電話の主は、友達の漁師さんのようで、さらに声を弾ませ、
大将:「お客さんらぁ~、今日はホントに良かったねぇ~、
10分ばぁ~、待っちょったやぁ~」
と、捌き始めた鰹を冷蔵庫に戻しました。

私は妙に気の毒になり、
私:「今、捌きゆう鰹でも十分なんで、それでいいですよ」と伝えると
大将:「これも上等やけんど、今から来る鰹が、まだ上等やけん、それを食べたや~
お客さんに、喜んでもらうがが仕事やけん」と嬉しいお言葉。

しばらく待っていると、待望の「日戻り鰹」が到着!

改めて、まな板の上に「日戻り鰹」が登場!
モチモチっとした食感は、タタキより刺身の方が楽しめると思い
注文の「タタキ」を改め「刺身」に変更し、大将の手際良さに心を弾ませます。

そして、いよいよ私達の前に!

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包丁を入れた刺身の角まで、ピンっとしっかり!

刺身を醤油に付けると、さぁ~とキレイな脂が広がり、期待は最高潮!
そして、ニンニクのスライスと一緒に、口に入れると・・・

新鮮な香りが口の中に広がり、モチモチっとした歯ざわり、
柔らかいのか、しっかりいているのか・・・とても表現できな味わい。
これぞ、本場の旬の鰹! 舌鼓は打ちっ放しです!

大満足の旬の美味しさを頂き、
大将に感謝、漁師さんに感謝、そして秋に感謝した事でした。

これから、市場やお店には、鰹だけではなく
秋ならではの「海の幸」「山の幸」が、たくさん並ぶ事でしょう。

季節に感謝し、漁師さんやお百姓さんに感謝し、市場やお店の方に感謝し、
秋の旬の「海の幸」「山の幸」を楽しみたいと思います。

それから、今回お世話になったお店の大将のように
お客様に喜んで頂けますよう、お役に立てますよう励んで参ります。

季節は急ぎ足で秋が深まり、寒暖の差が大きい日も続くと思われます。
夏の疲れが残っていて、体調を崩し安い季節でもあります。

最後になりましたが、うがい・手洗い・十黒梅(じゅっこくばい)で、
どうか体調を崩されませんよう、ご自愛くださいませ。

それでは、失礼いたします。

細川 泰伸